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Culture in Ehime
歴史に刻まれる、洗練された日本文化の宝庫
愛媛県の誇るさまざまな文化は、連綿と続く地元の人々の営みがかたちづくってきたもの。たとえば、松山市のシンボルとして親しまれている「松山城」や大洲市の河畔に建つ「大洲城」は、当時の城郭建築をいまに伝える貴重な文化遺産です。
日本最古の温泉のひとつといわれる「道後温泉」は、優れた泉質と細やかなおもてなしで世界中から高い評価を受けています。また、四国八十八ヶ所霊場の第45番札所「岩屋寺」や第51番札所「石手寺」なども見どころがいっぱい。どちらも一度は訪れる価値がある個性的な寺院です。
絢爛豪華で幻想的な『西条まつり』や勇壮で迫力ある『新居浜太鼓祭り』など、ずっと受け継がれてきたお祭りは、きっと忘れられない体験になるでしょう。
Text:重藤貴志
日本の歴史に足跡を残す、現代に甦った名城
愛媛県には歴史的な価値の高い城がいくつも残されています。松山市の中心部に位置する「松山城」は、16世紀後半の建築様式による城郭建築で、天守を含めて21もの建造物が重要文化財に指定されています。
近代に入ってから複数の建造物が放火や戦災によって消失しましたが、全国でも類例のない総木造によって復元されました。城山(勝山)山頂にある本丸へはロープウェイ・リフトでも行くことができます。初代城主である武将・加藤嘉明(1563〜1631年)にちなんで名づけられたマスコットキャラクター「よしあきくん」は、ときどき本丸広場の周辺を散歩しており、訪れた観光客から人気を博しています。
そして、松山城から南に約50km離れた、肱川の河畔を見下ろす位置に建つ「大洲城」は、多くの大名が造営してきた近世城郭。一度は天守が取り壊されましたが、200年以上前の古地図や模型、古い写真などの史料から多くの職人たちが力を合わせて木造で復元した城です。登城記念の御城印など、約100種類のグッズを販売しているほか、月に一度、鉄砲隊の公開演習も行われています。
日本最古の温泉郷「道後温泉」でタイムスリップ
8世紀に編纂されたと伝わる日本最古の歴史書『日本書紀』にも登場し、日本最古の温泉のひとつといわれる「道後温泉」。古来より広く知られており、傷ついた脛を温泉で癒やした「白鷺の伝説」をはじめ、数々の逸話や物語が残されています。
柔らかく滑らかな湯は湯治や美容に適しており、肌がすべすべになると評判のアルカリ性単純温泉。日本でも珍しい無加温・無加水の源泉かけ流しが自慢。天井から吊り下げられた刻太鼓は1日3回打ち鳴らされ「道後温泉」ならではの情緒ある音風景をつくりだしています。
2019年からは築125年を超える道後温泉本館を未来に受け継ぐための「道後REBORNプロジェクト」がスタート。重要文化財の公衆浴場を営業しながら保存修理工事を行うのは日本初の試みです。日本を代表する漫画家・手塚治虫の『火の鳥』とのコラボレーションなど、この期間しか見ることのできない「道後温泉」があなたを待っています。
四国八十八ヶ所霊場巡り(お遍路)のなかでもユニークな寺院
高名な僧侶・空海(774〜835年)ゆかりの88の仏教寺院の総称である「四国八十八ヶ所霊場」。これら88か所すべてを巡礼することを「遍路」といい、近年では毎年10万人以上の人々が参加しているともいわれます。
愛媛県には88か所のうち、第40番から第65番までの26の寺院があります。第45番札所「岩屋寺」は、四国八十八ヶ所霊場のなかでも珍しい、岩山と原生林に囲まれた標高700mの山岳霊場。大小さまざまな奇岩による不思議な景観は、約5,000万年前に海底だった場所が地盤の隆起や浸食によって地上に出てきたものと考えられています。また「岩屋寺」の本堂の後ろにそびえ立つ巨大な岩の絶壁には古来より多くの僧たちが修行を行った岩窟が点在しており、寺域全体が国の名勝に指定されています。
また、第51番札所「石手寺」も見どころのひとつ。国宝である仁王門をはじめ、本堂や三重塔など、6つの重要文化財を有しており、2009年3月には『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』で1つ星に選定されています。
絢爛豪華にして勇壮。迫力に満ちた祭りの数々
愛媛県西条市で毎年10月に開催される『西条まつり』は、伊曽乃神社・嘉母神社・石岡神社・飯積神社という4つの神社の祭礼の総称です。約300年の歴史を持ち、150台を超えるだんじり(屋台)や神輿が奉納される絢爛豪華な祭りとして地元の人々から愛されています。
そのうちのひとつ、『伊曽乃神社例大祭』の最大の見どころは10月16日の「川入り」です。15時を回った頃から加茂川の河川敷に約80台ものだんじりや神輿が集合。夕暮れとともに提灯を灯し、祭りの終わりを惜しんで川のなかに入って神輿を取り囲む様子は、ほかでは見られない迫力に満ちています。
そして同じく10月に開催される新居浜市の『新居浜太鼓祭り』も見逃せません。徳島県の『阿波踊り』や高知県の『よさこい祭り』と並ぶ「四国三大祭り」のひとつにも数えられている勇壮な祭りです。
大きな盛り上がりを見せる「かきくらべ」では、54台の意匠を凝らした巨大な山車「太鼓台」が市内へと繰り出します。150名あまりの「かき夫」と呼ばれる男衆が約3tの山車を担ぎ上げ、太鼓に合わせて上げ下げする技を競い合う様子は圧巻。いずれも日本でも指折りの祭りです。
Experience Ehime

Activity in Ehime
サイクリング、釣り、キャニオニング。
どんな遊びも大自然のフィールドが受け止める
愛媛県は、海・山・川といった美しい自然に恵まれていることから、さまざまなアクティビティーに絶好の環境です。「瀬戸内しまなみ海道」をはじめとするサイクリングコースのほか、「忽那諸島」「佐田岬」には屈指の釣りポイントが迷うほど。「面河渓」や「滑床渓谷」は、渓流釣りやキャニオニングに最適です。愛媛県で四季折々の日本のダイナミックな自然を心ゆくまで楽しんでください。

Food & Drink in Ehime
豊穣な大地と2つの海の恵みが自慢の味になる
愛媛県は温暖な気候のため、柑橘類の品目数と収穫量が日本一。また日本酒の名産地としても知られており、37の蔵元が醸す地酒はいずれも絶品。瀬戸内海に囲まれているため、「鯛めし」や新鮮な魚介を提供するお店も数多く軒を連ねています。独自の発展を遂げた「今治やきとり」や「せんざんき」などのご当地B級グルメも絶品。愛媛県の懐の深さを「食」からも実感してください。